メンバーのキャリアの成功は強みからしか生まれない。強みを磨ける環境を用意し、組織の力を高めるのが「マネジメントの美学」

仲間・文化
2023.05.09
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ソウルドアウトの2022年下期納会にてベストマネージャー賞を受賞し、今年の4月にマーケティングカンパニーの執行役員に就任した君永義隆。自営業で飲食店を営んでいた親を持ち、中小企業やベンチャーを支援し、ヒト・モノ・カネで困らない世の中を実現したいという思いを抱いて入社した背景があります。君永の仕事内容やマネジメントの流儀について聞きました。

君永 義隆(きみなが よしたか)
マーケティングカンパニー 執行役員
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君永 義隆(きみなが よしたか)
1992年生まれ。2016年ソウルドアウト株式会社に入社。SEM広告運用を経験した後、SEM広告運用マネージャー、メディア向き合い責任者、全社教育プロジェクト責任者、営業部長を歴任。2021年にEC支援専門の営業組織を立ち上げ、本部長として全国の中堅・中小企業の課題解決に従事。2023年4月より現職。

CXマネジメント本部長として組織の目標達成に寄与

――君永さんの仕事内容についてお聞かせください。

CXマネジメント本部は主にEC企業や小売店舗のお客様の支援をしている営業部です。広告を中心とし、ダイレクト領域から認知施策領域の課題解決策を提案し実行することが主な仕事内容です。

そのなかで、私は当時本部長として大きく3つの仕事を担当していました。1つ目は本部全体で目標数字を達成するためのマネジメント。2つ目は目標を成し遂げるための人的リソースの調達や教育。3つ目は、組織のメンバーが効率的に働くことが出来る仕組みの構築。特に、3つ目の仕組みの構築は営業部として弱くなりがちな部分だからこそ、力を入れて取り組んでおりました。

――仕事のやりがいはどこにありますか?

大きく2つあります。1つ目はべたですが、お客様から「ありがとう」と言っていただけること。2つ目はメンバーの成長に立ち会えた瞬間ですね。

私は就活イベントでソウルドアウトに出会うまでは教職を志していまして、もともと教育や育成に興味があったんです。今までお客様と向き合うことにどこか怖気づいていたメンバーが自分ひとりで対応し、仕事をやれるようになった様子を見られたり、お客様から「〇〇さんが担当で良かった。ありがとう」と言っていただけたりすると、自分のこと以上に嬉しさを覚えます。

――反対に、大変な点についてはいかがでしょうか。

たくさんありますが、1番大変だなと思うのは、お客様が「こういうことを成し遂げたい」と希望されていることに対し、我々が提供できるソリューションやケイパビリティが至らないときですね。

私が新卒入社した2016年頃は、Web広告支援が主力事業で、それで成果を上げられることが私たちにとってもお客様にとっても価値があることでした。しかし、ここ2、3年でお客様の広告リテラシーも上がり、広告運用を内製化するお客様も増えてきました。

広告だけで一定の売上を担保することを求められていた状態から、新規マーケットの開拓や人材採用など、広告以外の新たな相談を受ける機会が増えました。こういった多様なニーズにお応えすべく、時にはパートナー企業と連携してサービスを提供することもあるのですが、お客様の期待以上の成果を出せずに悔しい思いをしたり、難しさを感じたりしています。image
 

メンバーの成長機会を奪わず、お客様の満足度も担保する。介入のタイミングが重要

――今回の受賞では、君永さんのやり切る姿勢と徹底度により、組織として統一感のある動きができ、成果を上げたことが評価されていますが、こちらのエピソードについてお聞かせいただけますか。

ふだんから日々のモニタリングを重要視しており、仕組み化やアラートが飛んでくるようにと工夫してきました。お客様の日々の成果状況はリーダーから直接聞くようにしていますし、必要であればメンバーから直接聞くようにもしています。SFAやツールの導入に真っ先に着手し、本部で推進していたことが評価いただけたのでしょう。

私が案件に介入するタイミングは、本部長という役割もありトラブルが起きそうだったりすでに起きていたりする状態が大半です。お客様が不満を抱えている状態で介入するとき、まず意識しているのは「お客様は怒っているのではなく、困っているのだ」ということ。

怒っていると認識してしまうと、どうしても委縮してしまい、新たな提案をするにも心理的にブレーキがかかってしまうでしょう。ついお客様の言っていることを鵜呑みにした提案をしてしまうこともあると思います。ただ、その提案が必ずしもお客様の困りごとを解決できるものであるとは限りません。

大切なのはお客様の課題を解決すること。「お客様は困っているのだ」という前提に立つことで解決しようというマインドになり、成果に繋がる提案ができると思っています。ただ、バランス加減が非常に難しいのですが、私がすぐに介入してしまうとメンバーの成長機会を奪うことにもなりかねないので、タイミングにも気を配っています。

また、一次情報を取りにいくことも意識しています。メンバー伝いに聞いた情報は、トラブル時だと特に、主観と客観が入り混じっていたり事実と意見が混在していたりするので、解決するのに余計に時間がかかってしまうおそれがあるんですよね。ゆえに、一次情報を得た上で判断するように心がけています。

失敗と試行錯誤を経て行き着いたマネジメントスタイル

――君永さんがベストマネージャーになるまでについてお聞きしたいです。マネジメント能力が昔からあるタイプだったのでしょうか。

どちらかというと向いているんじゃないかなとは思っていましたね(笑)。3人兄弟妹の長男で、子どもの頃から人の面倒を見たり頼られたりするのが苦ではない環境で育ってきたこともあって。先ほどお話したように、教育にも強い関心を持っていましたしね。

ただ、入社時の自分を振り返ってみると、正直ベストマネージャーとはかけ離れた人間でした。私は広告運用コンサルからキャリアをスタートし、営業の方と一緒に動くことが多かったのですが、今思うと当時は非常に失礼かつ尖った発言をしておりました。

そんな私を変えてくれたのは、先輩社員からかけてもらった一言でした。同期が新人賞を受賞し、私との違いについて「君永は成果で言えば新人賞を取った彼とは遜色ない結果を出していたと思う。ただ、周りへの見せ方、そして立ち回り方が下手すぎる」と言われたんです。当時の私は自分の正義の反対は悪だと思って、それが言動にも表れていました。

しかし、創業者の荻原が「正義の反対は正義」だと言っていたことを思い出したんです。自分と相容れない相手は悪ではない。だからこそ、頭ごなしに正論をぶつけ相手を言い負かせようとするのではなく、みんながハッピーに働ける方法を探してみようというマインドに変えることができました。

とはいうものの、なかなか難しいですよね。関わるメンバーが多ければ多いほど、各々の正義は異なり、どんどん調整の難易度が上がりますから。試行錯誤したくさんの失敗を経験したからこそ、今の私があると思っています。

また、ただひたすらメンバーに寄り添えばいいのかと言うと、それも違うと思うんですよね。新卒3年目のマネージャーになって半年くらいの頃、あるメンバーの「こうなりたい」に対して自分なりにメンバーキャリアプランを設計しお互いにすり合わせていたのですが、どうにも上手く実現させることが出来ず、最終的に私のマネジメントから離れて退職してしまうという出来事がありました。ショックでしたね。

知らず知らずのうちに、相手の「こうなりたい」に寄り添うだけではなく、私の「こうなってほしい」が大きくなりすぎてしまっていたんだなと気付きました。期待の言葉をかけてあげることはとても重要ですが、その先の結果や見返りまで期待をしてはいけないんだなと。メンバーと向き合っている瞬間は全力で向き合い、離れているときは一切考えないくらいの適切な距離感が自分のためにも相手のためにも大切なのだと気付いた出来事でした。image
 

君永の「マネジメントの美学」

――君永さんのマネジメントの美学についてお聞かせください。

大切にしているのは2つです。1つ目はメンバーのキャリアの成功は個々の強みからしか生まれないということ。2つ目は限られたリソースを用いて、組織としての目標を達成することです。

1つ目は、USJを再建した株式会社刀の代表取締役兼CEO森岡毅さんの著書「苦しかった時の話をしようか」にあった話にも影響を受けています。そもそもキャリアにおける定数と変数を理解した上で、変数に対して適切にアプローチすることが重要。キャリアにおける変数は、「自らの特徴を理解」し、「それを磨く努力」をし、「それを活かすことの出来る環境を選択する」ことの3つしかありません。そのため、マネジメントをする立場としてはいかにその変数に対してレバレッジをかけ、メンバーの成長を促すことが出来るのかが重要だと思っています。

そして、マネジメントとして果たすべき役目は、限られたリソースをやりくりして組織を目標達成に導くこと。今後もメンバーの強みの総和を増やして、会社の利益に貢献したいですね。

私にはコロナ禍で飲食店を手放さざるを得なかった親がいるため、同じような苦境に立つ方々の助けになる手段を模索し続けていきたいと思っています。新卒時代にも同じようなことを思ってこの会社に入ったのですが、最近になってその思いがより強くなりました。経営に携われるようになった際には、私の信条である「綺麗ごとを綺麗ごとで終わらせない」を現実のものにしたいです。
 

パンくず

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